今は畑から染色を私はしています。その中で何が一番やりたい?とよく聞かれるのですが、藍の種まきも、藍の畑仕事も、蒅作りも、藍建も、染めも絞りも全て大好きです。その中で絞りは最終的な結果だとは思いませんが、絞りを通して、今私が一番、藍の美しさを世の中に見せれる表現の方法です。
真っ青な空を見ているのと、雲の動きがある空を見ているのと、私は気持ちが違っていて、青空に雲が現れた時に、空の青さが美しく感じる。絞りぞめを作る時に、そういうイメージがあります。
藍色と白色のバランス。白があるから藍を感じる事ができる。
私の絞りの師匠は村井泰子、私の人生において、とても大きな存在です。彼女が私にピッタリな課題を考える、それをただただこなすだけという時もあれば、自分の心からこういうのを作りたいというのが湧いてくる時も両方。二つともとても大事。先生との関係性もビシバシの時もあれば、甘える時もある。その両方が大事である。先生の存在がなければ、絞りはできないです。この信頼関係も藍色と白色のバランスに似ていて、美しくて、生きていて、先生に大感謝の気持ちを伝えきれません!
今思えば、小さい時から自分の手で色々作るのが好きで、絵を描くのは本当にできなくて、でも、立体的な陶芸が好きだった。自分の暮らしの中で使う物を作りたくて編み物、織物も長い間していました。アーティストになりたいというふうに思った事はなくて、でも藍との出会い、絞りとの出会いがあって、自分が作った物が本当に美しいと感じた。その時、私が作った風景を、誰かが見て、美しいと思えたら、藍の魅力を感じて頂けたら、そういう思い出、いつか誰かが感動するそういう藍染の作品を作りたい!という気持ちが生まれています。
絞り染めは、針と糸で一つ一つちくちくする。時間はとてもたくさんかかります。現代の私たちの暮らしのペースと全く違うリズムを感じる事ができます。この布を使おうと思わずに、ただただ美しい風景を作ろうと思う。このプロセスの中で少しだけ急ごうと思ったり、ちょっと面倒臭いから楽をしようと思ったりすると、その全てが素直に生地に現れます。自分の心がそのまま生地に現れるので、本当に辛い時があります!綺麗にちくちくして、何時間も染めをして、貴重な藍の色を頂いて、たくさん水を使って洗って、最後糸を解ける時に心が乱れていて、穴が開く!という事もあります。心と生地も繋がっていて、本当に勉強しかないです。この時間の使い方がとても好き。
畑にいる時も、絞りをしている時も、染料を作る時も、染めをしている時も、今まで同じそれらの行為をしてきた、そしてその文化を守ってきた人たちのエネルギーと繋がれる事に大きなリスペクトと感謝が心の中から湧いて、この不思議な繫がりを、ここで感じれる事がただただ有難いのです。
今まで絞って染めたお気に入りの生地たちを少し:















絞りの展示:
今まで:
絞り染め教室、端緒庵のグループ展:2017年7月
これから:未定